北海道には、野生のエゾシカが多く生息しています。
そのため、車の運転にあたっては、鹿との衝突事故に気をつけなければいけません。
鹿と衝突してしまうと、鹿の命はもちろん、ドライバーの命も危険にさらされます。
また、車体が傷付いたり故障したりする恐れもあります。
今回は、北海道の運転で気をつけたい鹿と車の衝突事故について、それを回避するための情報をご紹介いたします。
目次
北海道で鹿が多い場所は?鹿が関係する交通事故の発生件数も確認
北海道に生息するエゾシカは、本州に生息するニホンジカよりも大きな体を持ちます。
雄の大きな個体であれば、体長190cm・体重150kgになるものも。
エゾシカと衝突してしまえば、ドライバーや同乗者が大きな怪我を負うことも考えられます。
また、エゾシカとの衝突事故で生じた車の修理代には平均して40万円以上かかるとの調査結果※も示されていることから、大きな金銭的負担が生じる可能性もあります。
※第5回「野生生物と交通」研究発表会より
以上のようなことから、北海道での運転では鹿に十分気をつける必要があるのです。
要注意地域は北海道東部
車と鹿との衝突事故は、北海道全域で発生しています。
2022年に起こったエゾシカとの事故件数は4,480件で、6年連続で最多更新を記録しました。
事故の地域別分布は次の通りです。
- 札幌方面:1,865件(41.6%)
- 函館方面:170件(3.8%)
- 旭川方面:892件(19.9%)
- 釧路方面:1,205件(26.9%)
- 北見方面:348件(7.8%)
このうち2件は、鹿との衝突事故をきっかけに対向車線にはみ出すなどして死亡事故が発生しています。
近年では観光客も多い札幌や苫小牧などの北海道西側でも鹿が増えています。
鹿対策が万全でない場所も多く、交通量が多いため、今後の事故増加が懸念されます。
北海道観光では、新千歳空港から札幌までレンタカーを借りる人も多いですが、その際の運転も、鹿をはじめとした野生動物には十分に気をつける必要があります。
新千歳空港から札幌までの車での移動については、こちらのコラムで詳しくご紹介しています。
【千歳⇒札幌】新千歳空港から札幌まで車で行く際の距離は?他の交通機関との比較も
鹿関連の交通事故は増加傾向
北海道では、鹿と車との衝突事故が毎年多数発生しています。
先ほどもご紹介したように、2022年に起こったエゾシカとの事故件数は4,480件で、6年連続で最多更新を記録しました。
この背景には、北海道におけるエゾシカの増加や森林伐採が関係していると考えられます。
天敵であったオオカミが絶滅し、ハンターの数も減ったことでエゾシカの数は増えました。
また、元々の棲家である森林が伐採されたことで、エゾシカは新しい棲家を求め、人間の生活地域に降りてくるようになったのです。
鹿関連の交通事故の傾向
鹿関連の交通事故は、季節や時間によって発生率が大きく変わります。
警察本部交通企画課 事故分析係が発表した「エゾシカが関係する交通事故の発生状況(令和4年中)」によると、次の条件下で事故が特に多く発生していることがわかります。
- 月別では10月が最も多く、次いで11月が多い
- 時間別では18〜20時が最も多く、次いで16〜18時が多い
- 道路別では国道が最も多く、全体の約6割を占める
つまり、鹿関連の交通事故は、「10〜11月の夕方から夜間にかけて国道で起きやすい」のです。
もちろんこれは傾向であり、春夏秋冬どの季節でも、またどの時間帯でも事故は起こっており、2022年中の死亡事故のうち1件は朝8~10時の間に発生しています。
常に安全運転を心がけ、10〜11月の夕方から夜間にかけて国道を運転する場合は、特に余裕をもって運転を行いましょう。
北海道で運転中に鹿との事故を防ぐためのポイント
北海道での運転時に鹿との衝突事故を避けるためのポイントをご紹介いたします。
鹿との事故を防ぐために気をつけたいポイントは、次の6つです。
- 夜間は特に慎重に運転する
- 春・秋は特に慎重に運転する
- 鹿を見たら油断しない
- 夜間に何か光ったらブレーキをかける
- ブレーキ痕・動物注意の標識を見つけたらスピードを緩める
- エゾシカ衝突マップを事前に確認
詳しく確認していきましょう。
夜間は特に慎重に運転する
鹿と車との衝突事故で多いのは圧倒的に夜間で、その数は全体の85%にのぼります。
夜間(夕方や早朝含む)の運転は特に慎重に行い、何かあればすぐに止まれるよう、緩やかなスピードで運転しましょう。
春・秋は特に慎重に運転する
季節別で見ると、鹿関連の交通事故は春と秋に多く発生しています。
この季節は鹿の移動が頻繁に行われるため、事故も多い傾向にあります。
事故件数が特に多いのは10〜11月。
この時期の運転には、昼夜問わず気をつけた方が良いでしょう。
鹿を見たら油断しない
鹿関連の交通事故で多いのが、「鹿が1頭通り過ぎたので発進したら、その後ろから出てきた鹿と衝突してしまった」というケース。
鹿は群れで行動する生き物です。
1頭通り過ぎても、後から2頭、3頭と仲間が出てくる可能性があります。
運転時に鹿を見かけても「1頭だけ」と思わず、時間をかけて周囲を確認するようにしましょう。
また、「鹿が道路の外でじっとしているから」と走り抜けるのも危険です。
車に向かって飛び出してくることもあります。
ちなみに、車では走りやすい道路は鹿にとっては滑りやすくうまく動けません。
「車がいるから飛び出してこないだろう」「逃げてくれるだろう」と思わず、ゆっくりと慎重な運転を心がけてください。
夜間に何か光ったらブレーキをかける
夜間に何か光ったら、まずはブレーキをかけるようにしましょう。
夜間には、動物の目は光ります。
鹿に限らず他の動物との衝突を防ぐためにも、何か光った気がしたら速やかに車を止めることが大切です。
ブレーキ痕・動物注意の標識を見つけたらスピードを緩める
山間部などの道路でブレーキ痕を見かけたら、スピードを緩め周囲に注意を配りましょう。
なぜなら、そのブレーキ痕は鹿との衝突事故やそれを回避した痕であるかもしれないからです。
その場所が鹿の生息地である可能性があるため、ブレーキ痕のある場所では慎重な運転を心がけてください。
また、動物注意の標識は特に注意すべきエリアなので、十分注意を払って運転を行ってください。
「エゾシカ衝突事故マップ」を事前に確認
国土交通省北海道開発局では、エゾシカ衝突事故の注意喚起として「エゾ鹿衝突事故マップ」を発行しています。
北海道における鹿との衝突事故の情報をまとめたパンフレットとなっており、鹿関連の交通事故の傾向を把握することができます。
地域別にマップがありますので、お出かけになる地域のパンフレットを確認し、「鹿はいつどこに出るのか」知ったうえで車を走らせるようにしましょう。
- 一般国道240号
- 道東自動車道阿寒IC付近
- 一般国道272号
- 釧路外環状道路釧路別保IC付近
- 一般国道44号 釧路町〜浜中町、根室市川口〜温根沼付近
- 姫川・駒ヶ岳周辺
- 道の駅つど~る・プラザ・さわらから海岸沿い
- 汐首岬から恵山
- 道の駅しりうち周辺
- ウトナイ湖周辺
- 稚内市内
- 稚内空港付近
- 宗谷丘陵森林内
- 寿トンネル・北オホーツクトンネル出口付近
- サロベツ原野
- 根室駅から釧路駅までの国道240号
北海道で鹿や野生動物と事故を起こした場合は?
どんなに気をつけて運転していても、ブレーキが間に合わず、飛び出してきた鹿や野生動物と衝突してしまう可能性はあります。
では、このような場合にはどのように対応すれば良いのでしょうか。
行うべき対応は次の2つです。
- 動物の確認・移動
- 警察に通報する
詳しくご説明します。
動物の確認・移動
鹿や野生動物に衝突してしまったら、動物の状態を見てその生死を確認します。
衛生・安全の観点から、素手で動物に触れるのは避けましょう。
動物が生きていて怪我を負ってしまったような場合であれば、保護して医療にかけることも検討しなければなりません。
保護が可能な場合であれば、動物病院や保護施設へ運び、それが不可能な場合には動物病院や保護施設へ連絡し指示を仰ぎます。
全国共通道路緊急ダイヤル『#9910(24時間受付・通話無料)』を利用するのも良いでしょう。
また、動物が死亡してしまっている場合には、二次被害を避けるため、路肩に動物を移動させます。
この時も、動物には素手で触れないようにしましょう。
警察に通報する
野生動物との衝突事故を起こしてしまったら、速やかに警察へ通報するようにしてください。
警察による事故見分が終われば、「交通事故証明」を受け取ることができます。
野生動物との接触事故による車両破損は任意保険の補償対象です。
また、もしドライバーや同乗者に怪我があった場合には、人身傷害補償や搭乗者傷害が適用されます。
この対応は、レンタカーも同様です。
レンタカーを借りる際には保険に入りますが、野生動物との接触事故による車両破損もその補償対象になります。
ただし、保険の補償を受けるには「交通事故証明」が必要なので、この受け取りを忘れないよう注意しましょう。
北海道で鹿の事故が多い場所は道内全域!夜間と秋の運転は特に要注意
北海道では、鹿関連の交通事故が全域で発生しており、年々増加しています。
森林周辺など山間部で多い傾向にありますが、街中でも鹿の事故は発生しており、道内での運転には注意が必要です。
特に、秋や夕方から夜間にかけては鹿の事故の発生件数が多くなっています。
鹿との衝突事故を避けるには、とにかく慎重に車を走らせることが大切です。
周りの状況をよく見ながら運転し、少しでも違和感を覚えたら車を止めるようにしましょう。
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