なお、AナンバーやYナンバーなどのアルファベット入りナンバープレートの背景については、CARPRIMEの記事でも詳しく紹介されています。
Aナンバーとは?
Aナンバーとは、在日米軍関係者やその家族が使用する車両に交付される特別なナンバープレートのことです。正式名称は「在日米軍関係車両登録番号標」。通常の日本のナンバープレートとは異なり、英字のAが先頭に記載されているのが特徴です。
例:
A 12345
上部にYOKOSUKA・TOKYOなど基地名が表示されることもあります。このナンバーは、在日米軍の地位を定める日米地位協定(SOFA)に基づいて発行されます。
Aナンバーの対象車両
Aナンバーが交付されるのは、次のような人や車両です。
- 在日米軍に勤務する軍人・軍属
- その家族
- 米軍基地内で勤務する民間業者の車両(特定の場合)
これらの人々が日本国内で車を所有・運転する際に必要な登録制度がAナンバー制度です。つまり、日本のナンバーではなく、米軍専用の登録制度に基づく特別なナンバーということになります。
Aナンバーの特徴
| 項目 | 一般車両 | Aナンバー車両 |
|---|---|---|
| 管轄 | 日本の陸運局 | 米軍の車両登録事務所 |
| ナンバー表示 | 数字+ひらがな | A+数字 |
| 税金 | 日本の自動車税 | 軍の規定に基づく税制 |
| 検査制度 | 日本の車検制度 | 軍内の安全検査制度 |
このように、Aナンバー車両は日本の法制度とは一部異なる仕組みで運用されています。
AナンバーとYナンバーの違い
Aナンバーによく似たものにYナンバーがあります。どちらも米軍関係の車両に使われますが、対象や運用が異なります。
| ナンバー | 対象 | 登録場所 | 主な使用者 |
|---|---|---|---|
| Aナンバー | 在日米軍人・軍属・家族 | 米軍基地内登録所 | 個人車両 |
| Yナンバー | 米軍が輸入・貸与する車両 | 日本の陸運局 | 軍の公用車・業務用車 |
つまり、Aナンバー=個人所有車両、Yナンバー=軍の業務車両という違いがあります。CarViewの記事では、このアルファベットナンバーの制度が導入された背景や目的についても詳しく説明されています。
Aナンバーの取得方法
Aナンバーは、一般の日本人が取得することはできません。取得できるのは、在日米軍関係者のみです。手続きの流れは以下の通りです。
- 米軍基地内のVehicle Registration Office(車両登録事務所)で登録申請
- 所有者の身分証明・SOFA IDなどを提出
- 車両保険(日本国内で有効なもの)の加入証明を提出
- 必要な安全検査を受ける
- 登録完了後、Aナンバーのプレートを交付
日本の陸運局ではなく、米軍の内部機関で管理・発行される点が大きな特徴です。
Aナンバー車両の運転・保険・ルール
Aナンバー車両も日本国内を走行する以上は、日本の交通法規に従う必要があります。ただし、保険や税金の扱いが少し異なります。
- 運転ルール: 日本の道路交通法が適用され、右ハンドル・左ハンドルどちらでも可。酒気帯び運転などの罰則も日本法に準拠。
- 保険: 日本の自賠責保険(Mandatory Liability Insurance)への加入が義務付け。任意保険も日本の保険会社で加入可能。
- 車検・整備: 米軍基地内の検査制度に基づき、一部基地では日本の車検を受けることも可能。
Aナンバー車の見分け方
Aナンバーは、以下のような特徴で見分けられます。
- ナンバー先頭にAがある
- プレート上部にYOKOTA・YOKOSUKAなど基地名表記
- プレートの形状がやや異なる米規格
また、車両そのものもアメリカ製や外車が多く、日本では珍しいモデルが走っていることもあります。
Aナンバー車に関する注意点
日本人がAナンバー車を購入したり運転することは原則禁止されています。米軍関係者の資格がなくなった場合・任期終了・帰国などは、ナンバーを返却し、車を再登録する必要があります。中古車市場でAナンバー車を見つけても、そのまま日本の公道では使用できません。通常のナンバーに再登録するには、輸入車扱いでの手続きが必要です。
まとめ
この記事では、Aナンバーとは何か、そしてその仕組みや対象について詳しく解説しました。
- Aナンバー=在日米軍関係者専用の車両ナンバー
- 日本の陸運局ではなく、基地内で発行
- Yナンバーとは別の制度で、個人車両向け
- 一般人は取得不可。日本の交通法に従う必要あり
街中で見かけるAナンバー車は、日米の協定に基づいて特別に許可された車両です。その背景を知ることで、国際的な協力体制や交通制度の違いにも理解が深まります。

