SUVやトラックなどに採用されることが多い構造ですが、「モノコックと何が違うの?」「なぜ悪路に強いの?」と疑問を持つ人も多いはずです。
この記事では、ラダーフレームの仕組み・特徴・メリット・デメリットをわかりやすく解説します。さらに、2025年現在も採用されている代表的なラダーフレーム車種も紹介します。
ラダーフレームとは?
ラダーフレーム(Ladder Frame)とは、車体を支える骨格構造の一種で、ハシゴ(ラダー)のような形をした金属フレームを採用している車を指します。
名前の通り、2本のメインフレームを縦に配置し、それを横方向のクロスメンバー(横桟)でつなぐ構造です。これにより、高い剛性と耐久性を実現しています。
┌────────────┐ ← メインフレーム(左右) │ ──── │ ← クロスメンバー(横桟) └────────────┘
この「はしご型構造」が、車体の重さや衝撃をフレーム全体で分散して支える仕組みになっています。
図解つきで構造を理解したい方は、Responseまとめ|ラダーフレームの強さと採用車種を図解で紹介の記事もおすすめです。
ラダーフレームの特徴
① 高い強度と耐久性
頑丈な鋼材を使用しており、ねじれや衝撃に強い構造です。悪路や重い荷物の運搬にも耐えることができるため、SUVやトラックに最適です。
② ボディとフレームが分離構造
ラダーフレームは「ボディオンフレーム構造」とも呼ばれ、ボディとフレームが独立して存在します。損傷時には部分的な修理・交換が可能で、整備性にも優れています。
③ 振動吸収性が高い
フレームが路面からの衝撃を吸収し、車体全体への影響を軽減。悪路でも安定感があり、乗員への振動を減らす効果があります。
モノコックボディとの違い
現代の乗用車の多くは「モノコック構造(Unibody)」を採用しています。両者の違いを下表で比較します。
| 比較項目 | ラダーフレーム | モノコックボディ |
|---|---|---|
| 構造 | フレーム+ボディの分離構造 | ボディとフレーム一体構造 |
| 強度 | 非常に高い | 軽量だがねじれに弱い |
| 重量 | 重い | 軽い |
| 修理性 | 高い・部分交換可能 | 低い・損傷時に全体交換 |
| 乗り心地 | やや硬い | 快適で静か |
| 主な用途 | SUV・トラック・オフロード車 | 乗用車・ミニバンなど |
ラダーフレームのメリット
- ✅ 耐久性・剛性が抜群: オフロード走行でも車体が歪みにくく長寿命
- ✅ 重量物の運搬に強い: トラックやピックアップに最適
- ✅ 修理がしやすい: 独立フレーム構造により部分交換可能
- ✅ カスタムが容易: ボディとシャシーが別のため、架装や改造に柔軟対応
ラダーフレームのデメリット
- ⚠ 車体が重く燃費が悪化しやすい
- ⚠ 乗り心地が硬めで快適性に劣る
- ⚠ 車高が高く重心が上がりやすい
より詳しいメリット・デメリットや、SUV各社が採用する理由は、WEB CARTOP|ラダーフレームのメリット・デメリットと採用理由の記事でも解説されています。
ラダーフレーム採用車種・2025年版
| メーカー | 車種名 | 特徴 |
|---|---|---|
| トヨタ | ランドクルーザー300/70 | 世界屈指の耐久性を誇るSUV |
| スズキ | ジムニー/ジムニーシエラ | 軽量かつ本格4WD構造 |
| 日産 | サファリ(パトロール) | 高剛性シャシーで海外人気も高い |
| 三菱 | デリカD:5・旧型/トライトン | オフロード性能を重視 |
| メルセデス・ベンツ | Gクラス | 高級SUVながら伝統のラダーフレーム構造 |
ラダーフレームが選ばれる理由
- 悪路・雪道・山道での安定感
- 高耐久・長寿命(20年以上使用可能)
- 重いトレーラー牽引にも対応
アウトドアやキャンプ人気の高まりにより、本格4WDのラダーフレーム車が再注目されています。
今後のラダーフレームの動向
EV化や軽量化が進む中でも、耐久性を重視する業界ではラダーフレームの需要が根強く残っています。
トヨタ「ランドクルーザー250」やスズキ「ジムニー」など、伝統構造を継続する車種も多く、今後はアルミや高張力鋼板を使った軽量型フレームの開発も進むとみられます。
まとめ
この記事では、ラダーフレームの構造や特徴、メリット・デメリットを解説しました。
- ラダーフレームはハシゴ状の強固な骨格構造
- 耐久性・修理性・積載性に優れる
- 乗り心地や燃費ではモノコックに劣る
- 現在もSUVやトラックに多数採用
堅牢性と信頼性を求めるなら、ラダーフレーム車は最有力の選択肢です。

