エンジンを快適に動かすために欠かせないのが冷却水(クーラント)です。しかし「冷却水 水道水を入れても大丈夫なの?」と疑問に思ったことはありませんか?この記事では、冷却水に水道水を使用する際のリスクや正しい使い方、そして緊急時の対処法までをわかりやすく解説します。
まず結論から言えば、CARPRIMEの専門記事でも指摘されている通り、水道水を冷却水代わりに使用するのはおすすめできません。理由を詳しく見ていきましょう。
冷却水とは?
冷却水(クーラント)は、エンジンの温度を一定に保ち、オーバーヒートを防ぐための液体です。主な成分は以下の3つです。
- 不凍液(エチレングリコール/プロピレングリコール)
- 防錆剤・消泡剤
- 精製水(純水)
これらが混ざり合うことで、防錆・防食・凍結防止などの重要な機能を持ちます。
冷却水に水道水を入れてはいけない理由
冷却水 水道水の使用が推奨されない理由は、不純物やミネラルがエンジン内部の冷却系を傷めるためです。
1. 錆や腐食の原因になる
水道水にはカルシウムやマグネシウムなどの金属イオンが含まれており、これがラジエーターやウォーターポンプを腐食させます。
2. 水垢・スケールが溜まる
加熱によってミネラルが固形化し、冷却経路を詰まらせます。その結果、冷却効率が低下し、オーバーヒートを引き起こす危険があります。
3. 凍結・沸騰のリスク
水道水は純度が低いため、冬場は凍結、夏場は沸騰しやすくなります。専用クーラントにはこれを防ぐための不凍・防錆成分が含まれています。
応急処置として水道水を使う場合
出先で冷却水が減っているとき、どうしても補充が必要な場合は応急処置としてのみ水道水を使用できます。
- 冷却水が完全に空になる前に補充する
- 必ずエンジンが冷えた状態で行う
- できるだけ軟水(水道水よりミネラルが少ないもの)を選ぶ
- 帰宅後は必ず冷却水を交換する
このように一時的な代用は可能ですが、長期間放置すると故障につながります。
正しい冷却水の補充・交換方法
① 冷却水の種類を確認
車種によって使用される冷却水は異なります。代表的なタイプは以下の通りです。
- 赤・ピンク系: トヨタ/レクサス系(SLLC)
- 緑系: ホンダ/日産/スバルなど(LLC)
② 補充手順
- エンジンを停止し、完全に冷えるまで待つ
- ラジエーターキャップまたはリザーバータンクを開ける
- 冷却水を適量まで補充
- フタをしっかり閉める
③ 交換時期の目安
| 種類 | 交換時期の目安 |
|---|---|
| LLC(ロングライフクーラント) | 約2年または40,000km |
| SLLC(スーパーLLC) | 約5年または100,000km |
冷却水の性能が低下すると、防錆力が失われ、エンジン内部の腐食を招く恐れがあります。
水道水ではなく精製水を使おう
精製水は水道水からミネラルや不純物を取り除いた純水で、冷却系への負担が少ない安全な補充水です。カー用品店やコンビニでも購入でき、価格も手頃です。
また、くるまのニュースでも、水道水を使うことで発生するスケールや腐食のリスクが専門的に解説されています。
水道水を入れたまま放置した場合のリスク
- ラジエーター内部が錆びて穴が開く
- 冷却ホースやパイプが詰まりや腐食を起こす
- 最悪の場合、オーバーヒートやエンジン損傷
- 修理費が数万円〜十数万円に達することも
まとめ
この記事では冷却水 水道水の使用リスクと正しい対応法について解説しました。
- 水道水は不純物が多く、長期使用はNG
- 応急処置として一時的な使用は可能だが、後日必ず交換する
- 補充には精製水または専用クーラントを使用
- 定期交換を怠ると、高額修理につながるリスクあり
冷却水は車の「血液」とも呼ばれる重要な存在です。水道水で代用する前に、この記事の内容を思い出して正しいメンテナンスを心がけましょう。