まず、駆動方式ごとのドリフトの基本について知りたい方は、MOBYのドリフト解説記事を参照すると理解が深まります。FR・FF・4WDそれぞれの特徴と難易度が整理されています。
ドリフトとは?
ドリフトとは、車の後輪・または四輪を意図的にスリップさせ、コーナーを横向きの状態で曲がる走行技術です。通常のコーナリングとは異なり、タイヤのグリップを意図的に失わせることで、スピードと角度をコントロールします。ドリフトは、もともと日本の峠文化から発展し、今では世界中で「DRIFT文化」として親しまれています。
ドリフトの基本原理
ドリフトの原理は後輪のスリップコントロールにあります。後輪駆動(FR)車では、アクセル操作で後輪のグリップを外し、ハンドルで姿勢を制御します。
簡単に言うと:
前輪で方向を作り、後輪でスライドを調整する。これをバランスよく操ることが、ドリフトの基本です。
ドリフトができる車とは?
| 駆動方式 | 特徴 | ドリフト適性 |
|---|---|---|
| FR(後輪駆動) | 後輪で駆動・前輪で操舵 | ★★★★★・最適 |
| 4WD(四輪駆動) | 全輪で駆動 | ★★★☆☆・難易度高 |
| FF(前輪駆動) | 前輪で駆動 | ★☆☆☆☆・基本的に不可 |
ドリフト練習には、FR車(例:トヨタ86、日産シルビア、マツダRX-7など)が最も適しています。
ドリフトやり方の基本ステップ
ここからは、初心者向けに基本的なドリフトのやり方を解説します。ただし、公道で行うのは非常に危険で違法です。必ずサーキットや練習場で行いましょう。
STEP 1・スピードと進入角を作る
コーナーに入る前に適切な速度(40〜60km/h程度)を維持し、ブレーキまたはクラッチ操作で荷重を前に移します。これによりリアタイヤのグリップを抜けやすくする準備ができます。
STEP 2・リアを滑らせるブレーク動作
ドリフトの始まりはリアを滑らせること。方法はいくつかあります。
- ① クラッチ蹴り:クラッチを一瞬切ってから急に繋ぐことで、後輪に急なトルク変化を与えスリップさせます。初心者にもわかりやすい定番テクニック。
- ② サイドブレーキ:コーナー進入時にサイドを軽く引き、後輪をロックしてスライドを発生させます。低速コーナーに有効。
- ③ ブレーキドリフト:進入時に軽くブレーキを踏みながら荷重移動を利用してリアを滑らせます。上級者向けのテクニックです。
STEP 3・カウンターステアで姿勢を維持
リアが滑り始めたら、すぐに逆方向にハンドルを切る「カウンターステア」でスピンを防ぎます。アクセルを適度に踏みながらスライド角度をコントロールします。
- アクセルを抜きすぎるとスピン
- 踏みすぎると横滑りが止まらない
STEP 4・ドリフトの維持・スライドコントロール
安定してドリフトを維持するには、アクセルでリアの滑り量を調整し、カウンター角で車の向きを制御します。最初は短い区間でもOK。少しずつ角度と時間を伸ばしていきましょう。
ドリフト練習におすすめの場所
ドリフトは必ず公道以外の安全な場所で行うことが鉄則です。
- ドリフト専用サーキット(例:日光サーキット、備北ハイランド)
- モータースポーツパーク(貸切コース)
- ドリフトスクール(初心者講習付き)
オートマ車でのドリフト練習法については、RC Drift Laboの記事が非常にわかりやすく、初心者でも安全に挑戦できる内容です。
ドリフトに必要な装備
- ヘルメット・グローブ・シートベルト(4点式推奨)
- LSD(リミテッド・スリップ・デフ)装着車
- 強化クラッチ・冷却装置
- ドリフト専用タイヤ・グリップコントロールがしやすいタイプ
よくある失敗と対策
| 失敗例 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| スピンする | カウンターが遅い | 滑り始めたらすぐハンドルを戻す |
| 滑らない | 速度不足・トルク不足 | 進入スピードを少し上げる |
| 車が止まる | アクセルオフしすぎ | 軽く踏み続けて姿勢維持 |
| タイヤが減る | 長時間練習 | 定期的に休憩・タイヤ交換 |
注意・ドリフトは公道で禁止
最後に大切なこととして、ドリフト走行は公道では絶対に行ってはいけません。道路交通法第70条・安全運転義務や第76条・危険行為の禁止に違反します。必ずサーキットやドリフト練習場で、安全に練習しましょう。
まとめ
この記事では、ドリフトやり方を初心者向けに解説しました。
- ドリフトは後輪を滑らせる高度なテクニック
- FR車が最適(例:トヨタ86、シルビアなど)
- クラッチ蹴り・サイドブレーキが基本技
- 練習は必ずサーキットや講習会で
- 公道ドリフトは厳禁
正しい知識と安全意識を持てば、ドリフトは車の挙動を理解する最高の練習法になります。安全第一で、ドリフトの魅力を楽しみましょう。
