新車を購入して最初の1か月。この時期に行う一ヶ月点検(いっかげつてんけん)は、多くのドライバーにとって形式的なものと思われがちです。ですが実は、車の初期不良を早期に発見し、長く安全に乗るための最初のステップでもあります。この記事では、一ヶ月点検の目的や内容、費用、そして受けないとどうなるのかまで、わかりやすく解説します。
一ヶ月点検の目的
新車は出荷時に厳しい品質管理を経ていますが、実際の走行環境で初めてわかる不具合もあります。そのためメーカーでは、納車後約1か月または走行1,000kmを目安に無料点検を設定しています。
一ヶ月点検の主な目的は以下の3つです。
- 初期不良の発見:組み立て時や部品の個体差による不具合を早期に確認。
- 安全性の確認:ブレーキやハンドルなど、命に関わる部分のチェック。
- 快適性の維持:異音や振動、エアコンなどの動作確認で快適さを保つ。
メーカー保証の対象となる修理は、この段階で発見されれば無償で修理できることが多く、経済的にもメリットがあります。
一ヶ月点検の基本的な考え方や整備の流れについては、CARPRIME「1ヶ月点検って何をするの?メリット・デメリット解説」でも詳しく紹介されています。
一ヶ月点検でチェックされる主な項目
一ヶ月点検の内容はディーラーによって多少異なりますが、一般的には以下のような項目が含まれます。
エンジン関連
- オイル量と汚れの確認
- 冷却水やバッテリー液の量の確認
- ベルトの緩みや損傷のチェック
足回り・ブレーキ関連
- ブレーキペダルやハンドブレーキの効き具合
- タイヤの空気圧と摩耗状態
- サスペンションの異常
電装系・安全装備
- ライト類・ヘッドライト、ウインカー、ブレーキランプ
- ワイパーやウォッシャー液の動作確認
- センサー系のチェック・ADAS搭載車では特に重要
車内・外観
- ドアやウィンドウの開閉
- シートベルトやエアバッグ警告灯の作動確認
- 車体の傷や異音の有無
一ヶ月点検は無料?費用の目安
基本的に、ディーラーでの一ヶ月点検は無料です。これは新車購入時に含まれている「初回サービス」として提供されることが多いからです。
ただし、以下のようなケースでは有料になる場合もあります。
- 納車から2か月以上を過ぎて受けた場合
- 自分でぶつけた傷や破損がある場合
- エンジンオイルなどを追加で交換する場合
そのため、点検の際は事前に無料範囲と有料項目を確認しておくのがおすすめです。
費用の目安やディーラーごとの違いは、オートアベニュー「新車1ヶ月点検はなぜ重要なのか?」でも丁寧に解説されています。
一ヶ月点検を受けないとどうなる?
「忙しいから後でいいか…」と後回しにする人もいますが、一ヶ月点検を受けないと以下のようなリスクがあります。
- 初期不良を見逃して故障や事故につながる
- メーカー保証が受けられない場合がある
- 長期的に見て車の寿命を縮める
特に電子制御系やハイブリッド車など、最新モデルでは小さな不具合が重大なトラブルにつながることもあります。ディーラーから案内が来たら、できるだけ早めに予約を取りましょう。
一ヶ月点検後に意識したいポイント
一ヶ月点検は最初の点検にすぎません。次のステップは6ヶ月点検や1年点検(法定12ヶ月点検)です。点検後は、以下の点を意識しておくと車をより長く快適に使えます。
- 点検結果のレポートを保管しておく
- 気になる音や感触があれば次回点検時に伝える
- オイルやタイヤ空気圧のセルフチェックを習慣化
まとめ・一ヶ月点検は車との付き合い方を見直す機会
一ヶ月点検は、単なる整備ではなく、自分の車を理解するきっかけでもあります。新車特有の匂いや走りの癖、ハンドルの感触など、最初の1か月で気づくことも多いでしょう。この点検を通じて、車の健康状態を確認し、安全で快適なカーライフを長く維持することができます。
